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近年の日本では、男らしさを求められるシーンが減った。各国との比較でも、「男は男らしくあるべきだ」と考える日本の男子高校生の割合は5割未満と、アメリカや韓国、中国に比べて圧倒的に少ない。
でも草食系男子が、男性の中でとくにひ弱なジャンルの生物かといえば、私はそうは思わない。これまで約100人の草食系男子に取材してきた。
彼らは感性が研ぎ澄まされているせいでナイーブではあるが、「男たるもの」の概念に縛られてテストステロン(男性ホルモン)を発揮しようと頑張りすぎる旧来の男性より、何倍も自然体だ。ムリをしすぎない分、ストレスフリーでもある。
ロマンチストな独身王子に比べると、ちゃっかり面も持ち合わせている。生きる姿勢が女性寄りである分、むしろ″しぶとい″種族なのである。
草食系男子の定義ここで改めて、草食系男子の定義をおさらいしておこう。06年10月、ウェブ上で初めて「草食男子」の言葉を世に送り出したのは、編集者でコラムニストのF滓真紀氏。
その後08年7月、哲学者でO阪府立大学・人間社会学部のM岡正博教授が『草食系男子の恋愛学』(Mディアファクトリー)を出版し、私・牛窪が同11月に『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』(K談社)を書いた。私自身、F滓氏とM岡教授、両氏とそれぞれ雑誌やウェブの対談でご一緒した経緯がある。
そのとき再確認したのは、基本的に私を含む3人とも「草食(系)男子」の定義に大きな違いはない、ということ。いずれも、消費や恋愛に決してカツカツせず、女性と肩を並べてやさしく草を食む男性を「草食(系)男子」と呼んでいる。
F滓氏と私は「バブル経済を体感していない、20代男性に多いタイプ」とお話することが多い。一方のM岡教授は、「どの年代にも草食系はいる」と強調する。
F深氏や私と違ってご自身も男性、しかも著書でも述べているように、若い頃から草食系だと自覚していたからだろう。「大学に合格して東京に出てきたとき、僕は床屋のあの男臭い匂いがイヤで、当時から美容院に行っていたぐらい。草食系の走りだったと思う」と、M岡教授。
高知県出身で1958年生まれ。09年現在で51歳だ。その彼が20代前半といえば、いまから30年近く前、80年代前半のバブル前の時代にあたる。
確かに当時、美容院に通う男性はかなり稀有な存在だったろう。だがいまや、20代男性で「美容院」派はちょうど5割、理容室(床屋)に行く男性と同じ数だけ存在する。
私が通うネイルサロン「Mーズーザーサロン」(東京・南青山)も、なんと4割が男性客。
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